2020年08月07日

おうちで見られる三宅島の生き物63「クロサギ」

三宅島でサギと言えば、ダイサギやチュウサギのような白いサギや頭がオレンジ色のアマサギを思い浮かべる人が多いと思います。島で見られるほとんどのサギは、春や秋に通過する渡り鳥です。その中で、唯一の留鳥がクロサギです。今はわかりませんが、以前は三宅島で繁殖していました。

海岸で見ることができる野鳥ですが、名前の通り体は黒く、周りの岩と同化して見つけるのは大変です。しかし、足は明るい黄色のため、足が見えればその姿を観察することができます。

例年、秋ごろから潮だまりで小魚などのエサを探す姿を時折見かけるようになります。数日前、私も久しぶりにその姿を見ました。生息する数が少ないため、観察できると嬉しくなります。

さまざまな場所で絶滅の恐れのある種に指定されているクロサギ。
見つけられない理由が、いなくなってしまったからにならないよう、
生息できる環境がこれからも残っていってほしいですね。

IMG_8985.JPG

IMG_8980.JPG

IMG_5844.JPG
足が見えないと、この通り

〇クロサギ
ペリカン目サギ科
全長:58cmほど
英名:Eastern Reef Heron
posted by akakokko at 12:27| おうちで見られる三宅島の生き物たち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月05日

おうちで見られる三宅島の生き物62「オトヒメエビ」

浦島太郎に出てくる「乙姫」
その名前を持つエビがこのオトヒメエビです。

浅い海で見ることができ、潮だまりでも定番のエビです。
紅白の縞模様がとても美しく、見ると嬉しくなりますね。

オスとメスのペアで生活していますが、
いる場所は大体決まっており、一度見つけると
いつ行ってもたいていは見つかります。

岩の隙間などを静かにのぞいてみると良いでしょう。

でも、一点注意。
オトヒメエビの近くにはウツボの仲間がいることが多いので
彼らを驚かさないように気を付けましょうね。
ウツボは決して怖い生き物ではありませんが、
驚かすと噛まれる可能性があります。

※ウツボは体についた寄生虫などをオトヒメエビに食べてもらい
体を清潔にしているそうです。

長太郎池、土方海岸の潮だまり、釜方海岸の潮だまり、伊ケ谷湾などで
見ることができるので、ぜひ観察を楽しんでください。

otohime01.jpg

otohime02.jpg

otohime03.jpg
小さなオスがメスに乗っています。通称「オンブオトヒメ」というらしいです。

〇オトヒメエビ
十脚目(エビ目)オトヒメエビ科
体長:40〜60mm
英名:Banded coral shrimp/Barber-pole shrimp
posted by akakokko at 16:28| おうちで見られる三宅島の生き物たち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月04日

おうちで見られる三宅島の生き物61「ミヤコキセンスズメダイ」

毎年、6月下旬頃に三宅島の潮だまりにやってくる綺麗なお魚。

それがこのミヤコキセンスズメダイです。
潮だまりのようなごく浅い海で見られ、
以前、紹介したナンヨウツバメウオと同様、三宅島より南の海で産まれ
黒潮に乗ってやってくる海水魚です。

以前はそれほど数は多くなく、長太郎池や土方海岸の潮だまりで
見られる数は2〜3匹。見つけることができると、
珍しさもあり美しいお宝を見つけた気分でした。
そして、例年1月頃になると姿を消す、いわゆる季節来遊魚です。

ところがこの数年は少し事情が変わってきました。
4〜5年くらい前からは10〜20匹程度が見られるようになり、
この2年ほどは、そのうちの何匹かは冬の海も耐えて、
1年中見られるようになってきました。
この数年、冬も水温があまり下がっていないことが理由として考えられ、
この後もずっと、年間を通して見られるかどうかは分かりません。
今後、定着していくのか気になる存在です。

miyakokisen01.jpg
幼魚は黄色の体にオレンジと青のラインがとても美しい。写真の個体は1cmほど。

miyakokisen02.jpg
成長するにつて、鮮やかな色は消えていく。

miyakokisen03.jpg
成魚は幼魚とはまったく見た目の違う地味な魚。写真の個体は5cmほど。

〇ミヤコキセンスズメダイ
ススキ目スズメダイ科

小さな岩の隙間や穴などを住みかとしている。
なわばりをもち、住みか周辺を中心に単独で泳ぐ。
posted by akakokko at 14:53| おうちで見られる三宅島の生き物たち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月31日

おうちで見られる三宅島の生き物60「イバラカンザシ」

派手な色をしたウミウシの仲間、グニャグニャしたタコの仲間、
透明なクラゲなど海の中には不思議な生き物がいっぱい。

このイバラカンザシも「何コレ???」となる不思議な生き物です。
毛のようなものが付いた2つの三角形。何度見てもなんだかわかりません。
さらに、赤、青、黄色など様々な色で、まるで海中のお花畑。
もう何がなんだかわかりませんが、その三角形に指を近づけると、
何がなんだかわからない度合いは増すこと間違いないでしょう。

この正体、実は動物。ゴカイの仲間です。
カラフルな三角形は鰓(エラ)として発達した鰓冠(さいかん)といいます。
この鰓冠を用いて呼吸や水中にいるプランクトンなどを捕えて食べます。
本体(同体)はこの鰓冠の下。
サンゴや岩の隙間など穴に入っているため見ることはできません。

それにしてもこのカラフルさ。同じ種類なのに本当にさまざまな色があります。
きっと何かしらの意味があるのでしょうね。
英名ではクリスマスツリーワーム。これもピッタリな名前ですね。

水深3〜10mくらいのところで多く見ますが、
長太郎池や釜方海岸などの潮だまりでも見ることができます。

ibara05.jpg
さまざまな種類の花が咲いたお花畑のようですね。

ibara01.jpg
伊ケ谷湾の中でもよく見ることができます。

ibara02.jpg

ibara03.jpg
信号機カラー。あれ?一匹違うな。

ibara04.jpg
信号機カラー。あれ?一匹違うな(その2)。

ケヤリムシ目カンザシゴカイ科
鰓冠の直径(1つ分):1〜2cm程度
英名:Christmas tree worm
posted by akakokko at 16:03| おうちで見られる三宅島の生き物たち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月30日

おうちで見られる三宅島の生き物59「ラセイタソウ」

海辺に生えるゴワゴワした葉の植物といえば、島の人ならほとんどの人が同じものを思い浮かべると思います。この植物は「ラセイタソウ」と言います。

葉の表面はデコボコとしたしわが目立ち、手触りは非常にザラザラしています。この手触りが、ポルトガル語のラセイタ(手触りが粗い毛織物)に似ていることから、その名前がつきました。一方の裏面は、多少ザラザラするものの、よく見るとまるでマスクメロンのような細かい網目模様がとてもきれいです。

海の近くで見ることができ、今の季節は花が咲き始めました。
葉のすき間から出る細い穂のようなものが花で、上の方に雌花、下の方に雄花が咲きます。
よく観察してみるとその違いもよくわかります。

海辺によく生えている植物のため、海に行った際は花を探してみてください。

DSC_4429.JPG
海の近くの岩場や崖地などに生える

IMG_2209.JPG
葉の先端付近のものが雌花、穂状に伸びているものが雄花

DSC_4427.JPG
葉の裏は細かい毛が生えている


〇ラセイタソウ (羅背板草)
イラクサ科カラムシ属
多年草
posted by akakokko at 16:33| おうちで見られる三宅島の生き物たち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月29日

おうちで見られる三宅島の生き物58「ナンヨウツバメウオ」

水面を漂う茶色い枯れ葉。
もしかしたらそれは枯れ葉ではないかもしれません。

よ〜く目を凝らしてみてください。
枯れ葉にそっくりな魚の時も。

この魚は「ナンヨウツバメウオ」と言います。
名前のとおり、南の海(南洋)で生まれて、
黒潮とともに三宅島にやってきた幼魚です。
残念ながら、三宅島では冬の低水温に耐えることができずに
死んでしまう季節来遊魚と呼ばれる魚の一種です。

体の小さな幼魚たちは力も弱く、大きな魚には太刀打ちできません。
そこで、さまざまは方法で身を守っています。

ナンヨウツバメウオは枯れ葉に擬態することで
敵の目をごまかしているのですね。
静かに見ていると彼らもあまり動かずに波に漂っていますが
近づくと、さすがにばれたと感じるのか予想外に速いスピードで
逃げていきます。

毎年、今くらいの時期になると見られるようになり、
今年も土方海岸の潮だまりや湯の浜漁港などで
観察しています。
波の穏やかな所を好むようです。

なかなか面白い姿で、行動も面白いので観察してみてくださいね。

nanyou01.jpg

nanyou02.jpg
水面を漂っていることが多く、陸上からも見ることができる。

nanyou03.jpg


〇ナンヨウツバメウオ
スズキ目マンジュウダイ科
posted by akakokko at 09:53| おうちで見られる三宅島の生き物たち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月27日

おうちで見られる三宅島の生き物57「テリハノブドウ」

海岸で見られる青や紫、緑などのカラフルな実
この実の正体は、「テリハノブドウ」です。

今の季節は、花も咲いています。
しかし、花は小さく、立ち止まってじっくり見なければわからないほどです。

花の後には、薄緑〜紫のグラデーションがきれいな実ができます。
美しい実ですが、食べられません。
島の方言でもカラスやウシのエブゴと、人間が食べる物ではないとされています。

食べることはできませんが、宝石のようにきれいな実を目で楽しんでください。

※エビヅルの方言

DSC_4419.JPG

IMGP0041.JPG

〇テリハノブドウ (照葉野葡萄)
ブドウ科ノブドウ属
posted by akakokko at 15:42| おうちで見られる三宅島の生き物たち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月25日

おうちで見られる三宅島の生き物56「ユビワサンゴヤドカリ」

指輪とサンゴ。
なんともロマンチックな名前を持つのがこのヤドカリ。
鮮やかな青色と黒色の縞模様の脚がとても目立ちます。
よく見ると青い目やオレンジ色の触角も鮮やかです。

サンゴがある暖かな海に生息するヤドカリですが、
ダイバーの方が出会うことはほとんどありません。
では、ダイビングよりも浅いところで
楽しむことが多いシュノーケルでは???
ダイビング時よりは見られますが、
そう多くはないかもしれません。

もしかしたらこの綺麗なヤドカリに一番出会っているのは
磯遊び中の小さなお子さんたちかもしれません。
水深数センチから数十センチのとっても浅い所に生息しています。

この夏、潮だまりに出かけたらとっても浅い岩場などを
よく探してみてください。
きっと、このハッとするほどきれいなヤドカリに出会えますよ。

yubiwa01.jpg

yubiwa02.jpg

〇ユビワサンゴヤドカリ
十脚目(エビ目)ヤドカリ科
甲長:17mm
英名:Elegant hermit crab
posted by akakokko at 15:09| おうちで見られる三宅島の生き物たち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月24日

おうちで見られる三宅島の生き物55「ハマシャジン」

伊豆岬で「ハマシャジン」の花を見つけました。
シマホタルブクロとよく似ていますが、大きさや花の色、形などが違っています。

同じキキョウ科の仲間のツリガネニンジンより、葉が厚く光沢があることから海岸型のものとして
「ハマ(浜)シャジン(ツリガネニンジンの漢名)」という名前がつきました。

さらに伊豆諸島で見られるハマシャジンの中には、本土ものと少し違ったものが確認されています。
それは、めしべが短く花の外側から見えないといった特徴を持った花があります。
ハマシャジンを見つけたら、めしべの長さに注目してみてください。

三宅島には他にも、本土のものと違った特徴を持った生き物がたくさんいます。
どこか違ったところはないか、じっくりと観察してみてくださいね。

IMG_1980.JPG
葉は厚く光沢がある

IMG_1991.JPG
めしべが短く外から見えない花

IMG_1996.JPG


〇ハマシャジン (浜沙参)
キキョウ科ツリガネニンジン属
posted by akakokko at 14:48| おうちで見られる三宅島の生き物たち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月23日

おうちで見られる三宅島の生き物54「ツクツクボウシ」

今。この記事を書いている時に一番よく聞こえている音。
このセミの鳴き声です。
三宅島ではだいたい6月下旬から7月上旬に鳴き始めます。

三宅島にいるセミは基本3種。※
ニイニイゼミとヒグラシ、そしてツクツクボウシです。
本州と陸続きになったことのない伊豆諸島では
本州から南下するにしたがい、生息するセミの種数が減ってきます。
例:大島7種、神津島4種、三宅島3種、八丈島1種
海を渡ってこれる確率が本州から離れれば離れるほど
低くなるということですね。

3種のうちヒグラシは島内における分布に偏りがある気がしますが
ニイニイゼミとツクツクボウシはどの地区でもよく聞くことができます。

ただ、島のお年寄りからは昔に比べるとセミがずいぶん減ったと
聞いたことがあります。
もしかしたらその原因のひとつは移入種のヒキガエルかもしれません。
夜、羽化をしようと地中から出てきたセミの幼虫を食べるヒキガエルを何度か見ています。
高密度でヒキガエルが生息する三宅島。
彼らに食べられている在来の昆虫は多いでしょう。
ヒキガエルに責任はありませんが、何とかしないといけませんね。

※ごく少数ですがアブラゼミとクマゼミも生息しています。

tukutuku01.jpg

tukutuku02.jpg

〇ツクツクボウシ
カメムシ目セミ科
全長:30mmほど
posted by akakokko at 15:51| おうちで見られる三宅島の生き物たち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする