2020年09月21日

おうちで見られる三宅島の生き物79「ジョロウグモ」

森の中では少しずつジョロウグモが目立ってきました。

歩いていてジョロウグモの巣(網)に引っかかったという人も多いのではないでしょうか。
とても複雑で大きな網を張りますね。
クモ自体も大きく、とても派手な色合いをしています。
その色合いが美しい着物を着た女郎のようでこの名前が付いたそうです。

春に孵化したジョロウグモは何度も脱皮を繰り返しながら
大きくなり、秋に成熟します。
でも大きいのはメスのクモ。
オスはというと……。
メスに比べとても小さく、まるで子供のようです。

メスの作った巣のはじっこでひっそりと暮らしており、
交接の機会をうかがっています。

でもこの体格差。下手をしたらメスに食べられてしまいます。
そこでオスはメスが脱皮をしている時や食事をしている時を狙って交接するのです。
ちゃっかりしていますね。

明るいところにもいますが、どちらかというと森の中など少し暗い場所に多いクモです。
メスは大きく目立つため、よく見ると思いますが
オスの存在に気が付かなかったという方も案外いるのではないでしょうか。
ぜひその体格差を実際にご覧ください(N)。

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メス(下)とオス(上)

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〇ジョロウグモ
クモ目ジョロウグモ科
体長(脚を含めない大きさ):メス(17〜25mm)、オス(6〜8mm)
posted by akakokko at 15:54| おうちで見られる三宅島の生き物たち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

野鳥リスト(2020年9月13〜20日)

◎2020年9月13〜20日に三宅島および近海で確認した野鳥(37種)
カラスバト、キジバト、オオミズナギドリ、ウミウ、ササゴイ、クロサギ、バン、ムナグロ、メダイチドリ、キアシシギ、イソシギ、キョウジョシギ、アカエリヒレアシシギ、ミサゴ、アオバズク、カワセミ、コゲラ、サンコウチョウ、モズ、ハシブトガラス、ヤマガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、ウグイス、イイジマムシクイ、メジロ、ミソサザイ、コムクドリ、アカコッコ、コマドリ、ノビタキ、イソヒヨドリ、スズメ、キセキレイ、カワラヒワ、ホオジロ、コジュケイ
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2020年09月18日

おうちで見られる三宅島の生き物78「ヒバカリ」

ヘビのいない島。

三宅島はよくそう言われます。実際、見たことがあるという人もほとんどいないでしょう。しかし、実は生息しています。
島のお年寄りに話を聞くと、1983年の噴火前まではよく見かけたそうです。小さいヘビが多かったけど、大きいヘビを見たことがあるという方も。

大きいヘビはシマヘビあたりかな?と思うのですが、正確なところは分かりません。でも小さいヘビはきっと「ヒバカリ」です。

三宅島史(1982年発行)を読むと1937〜38年頃に阿古の学校から逃げ出したものが定着し、現在は神着地区以外で見られるようになったと書かれています。神着以外といっても中心となる生息地は阿古地区だったのかもしれません。そして、1983年噴火により多くの個体が死滅し、現在はあまり見られなくなったのだろうと推測しています。

さて、このヒバカリ。噛まれるとその毒により命はその日ばかりという意味でついた名前だそうですが毒はありません。体も小さく鳥を食べることは難しそうです。どうやら、オカダトカゲの幼体をよく食べていたようです。しかし、爬虫類である彼らは、生きていくうえでそれほど多くのオカダトカゲを必要とすることはなく、オカダトカゲも高密度で生息していたようです。また野鳥への影響もほとんどなかったのでしょう。

アカコッコ館には年に2〜3匹、捕獲されたものが持ち込まれてきます。春頃が多いでしょうか。でも、ここで注意。先に書いたようにこのヘビは無害ですが、ヘビを見かけても確実にこのヘビだとわからない限りは手を出さないようにしてくださいね。(N)

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大人のヒバカリ。首元に斜めの黄色い線が入るのが特徴。

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ヒバカリの幼体。

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オタマジャクシやメダカ、ミミズなども食べる。でもこのミミズ、大きすぎですね。

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気になるヘビのしっぽ。どこまでが胴体でどこからしっぽ?答えは総排出腔(写真中央)より後ろがしっぽ。

〇ヒバカリ
有鱗目ナミヘビ科
全長:40〜65cm
英名:Japanese keelback




posted by akakokko at 15:29| おうちで見られる三宅島の生き物たち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月17日

おうちで見られる三宅島の生き物77「モズ」

キィーキィキィキィキィと強い調子の音。
これからの季節よく聞こえてくるモズの高鳴きです。
モズの高鳴きは秋の風物詩にもなっていますね。
今年は8月29日に初鳴きを確認しました。
一年を通して見られる野鳥ですが、目立つのはやはりこの時期。

オスもメスも秋冬は一羽で過ごすため、
電柱柱の上、高い木のてっぺんなど目立つところにとまり
なわばり宣言のために鳴きます。

モズは色々な鳥の声を真似することでも有名ですね。
漢字で書くと百舌鳥。百の舌の鳥。
さすがに100種までは鳴きまねはできないかと思いますが、
ミソサザイやウチヤマセンニュウの鳴きまねをしていて
うっかり騙されたこともあります。

さらにはやにえでも知られていますね。
小動物や小鳥などを枝にさしておく行動です。
冬場のエサの保存だとか、なわばり宣言のためだとか
色々考えられていますが、まだはっきりとは理由が分かっていないようです。

モズという鳥を知っていても見たことがないという方
結構、多いのではないでしょうか。
これからキィーキィキィキィキィという声を
耳にする機会がどんどん増えるので
ぜひ探してみてくださいね。(N)

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オスのモズ。小さな猛禽類と呼ばれるだけあって、がっしりとした頭と鋭いクチバシ。眼には黒い一本線が目立つ。

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メスのモズ。オスに比べると優し気な顔。でも優し気な顔に騙されてはいけません。秋から冬にかけてはオスもメスも関係なく、なわばり争いをしています。

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パパ(左)にエサをねだる子供のモズ(右)。

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はやにえとなったカエル(撮影:千葉県市原市)

〇モズ
スズメ目モズ科
全長:20cmほど
英名:Bull-headed shrike
posted by akakokko at 16:26| おうちで見られる三宅島の生き物たち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月13日

野鳥リスト(2020年9月4〜12日)

◎2020年9月4〜12日に三宅島および近海で確認した野鳥(33種)
カラスバト、キジバト、オオミズナギドリ、クロサギ、アマツバメ、ムナグロ、メダイチドリ、チュウシャクシギ、キアシシギ、イソシギ、キョウジョシギ、ミサゴ、アオバズク、カワセミ、コゲラ、モズ、ハシブトガラス、ヤマガラ、シジュウカラ、ツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、イイジマムシクイ、メジロ、ミソサザイ、アカコッコ、コマドリ、イソヒヨドリ、スズメ、ハクセキレイ、カワラヒワ、ホオジロ、コジュケイ
posted by akakokko at 14:52| 野鳥リスト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

おうちで見られる三宅島の生き物76「モヨウモンガラドウシ」

ウミヘビがいたよ
この夏は3回くらい、そう教えてもらいました。

たぶん、きっとアレかな?と思い、
黄色っぽくって黒い斑点があるヤツ?と聞くと、それとのこと。
やっぱりヘビに似ていますね。
私も初めて見た時はやっぱりウミヘビだと思いました。

この正体はモヨウモンガラドウシ。
名前だけ聞いてもさっぱりわかりませんね。

いわゆるウミヘビは爬虫類。このモヨウモンガラドオシはウナギ目ウミヘビ科のお魚です。
ウミヘビに似ているのでウミヘビ科なのでしょう。
ウナギ目には他にウナギ科、ウツボ科、アナゴ科などがあります。
よく考えるとウナギもウミヘビに似ていますね。

こいつを見ても安心してください。
成長すると1mを超える大きな魚ですが、とっても穏やかな性格で
襲ってくることはまずありません。また毒もありません。
安心して観察してみてください。なかなかひょうきんな顔をしていますよ。

あまり深いところでは見た覚えががなく、
水深10m以内のところや潮だまりなどでよく見かけます。

以前はゴイシウミヘビという別の種もいるとされていましたが、
研究の結果、モヨウモンガラドオシとゴイシウミヘビは同種と分かりました。そのため、先に登録されていたモヨウモンガラドオシという名前に統一されました。
個人的にはゴイシウミヘビの方がインパクトのある名前で好きだったのですが。(N)

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体はヒョウ柄の模様でなかなか美しい

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バカボンのパパを思わせる口元

〇モヨウモンガラドオシ
ウナギ目ウミヘビ科ゴイシウミヘビ属※
※属名にはゴイシウミヘビという名前が残ったのですね。面白い。
posted by akakokko at 10:26| おうちで見られる三宅島の生き物たち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月12日

サンゴの白化

このところ、海水温が30℃以上の日が続いています。
高すぎる海水温はサンゴをはじめ、海の生物にさまざまな影響を与えるため休みの日を利用して、海の様子を調べてきました。

土方海岸の潮だまり
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伊豆岬の潮だまり
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造礁サンゴと同じく体内に褐虫藻を持つイソギンチャクも白くなってきている。(サンゴとイソギンチャクは近い仲間)

富賀浜(伊豆諸島最大の造礁サンゴ群集地)
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大久保浜
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高水温が続くと生じるサンゴの症状として白化がありますが、
調べた結果、どこも白化が見られました。

潮だまりでは9割以上のサンゴが白化しておりました。
富賀浜では白化したサンゴは4割程度という印象でしたが
観察した日の水温も30℃以上。白化現象はまだ進行しそうです。

サンゴの白化はサンゴの体内に共生している「褐虫藻」を排出することによって起きる現象です。
褐虫藻は光合成によって栄養を作り出し、サンゴはその栄養を得ています。
高水温が続くと褐虫藻が弱り、本来の働きができなくなるばかりか、サンゴにとって良くない存在になってしまいます。
そこで排出するのですが、排出するとサンゴは栄養を得ることができず、白化現象が長く続くとサンゴは死んでしまいます。

近年の白化現象は温暖化による海水温の上昇が原因といわれており、三宅島だけでなく、現在各地で白化現象が確認されております。

はやく海水温が下がり、元に戻ることを祈るばかりです。(N)

ほか、見られたサンゴへの影響
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サンゴ食の巻貝。

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ホワイトシンドロームと呼ばれる感染症にかかったサンゴ。
posted by akakokko at 14:17| 自然情報トピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月11日

おうちで見られる三宅島の生き物75「ニホンイタチ」

三宅島ではあまり見たくない生き物です。

三宅島の外来種というと真っ先に出てくるのが、このニホンイタチ。
伊豆諸島ではいくつかの島で見られますが、大島のみ自然分布で、
他の島では家ネズミ(こちらも外来種)の駆除のために、
人為的に移入されたものです。

三宅島での放獣は2回とされ、
1回目は1975〜1976年に、島の生き物への影響などを調べるため
きちんと管理したうえでオスのみ放たれました。

その後、行政はイタチは移入しないという決定をしましたが、
1982年頃に、何者かの手によってオスとメスが移入されてしまいました。

もちろん、イタチはネズミだけを食べるわけではありません。
島ではかまじっこと呼ばれるオカダトカゲや地表性の昆虫、野鳥など
多くの生き物が彼らによって食べられてしまいました。

アカコッコのヒナの巣立ち率はイタチ移入前は約80%だったものが
移入後は7%ほどまで落ちたというデータもあります。

バードアイランドと言われるほど鳥の密度が高い三宅島ですが、
イタチ移入前を知る島のお年寄りからは「昔に比べると全然鳥がいなく、バードアイランドとは言えないよ」と言われたこともあります。

完全に昔のような三宅島に戻すのは難しいかもしれません。
またイタチを島から駆除するには膨大な時間とお金がかかるでしょう。
ですが、少しでも以前のような三宅島を取り戻していきたいものです。(N)

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海岸や草地、森のなかなど島のいたるところで見ることができる

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立ち上がってあたりを警戒する

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春は彼らの繁殖期。メスをめぐりオス同士の争いも目にする

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親子?兄弟?ほのぼのする様子なのですが……

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ハクセキレイの後ろをイタチが通過。ハラハラしましたが、お互いに気が付いていないようでした

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春や夏の終わりころ、毎日のように車にひかれたイタチの死体を見る。交通量の少ない島にも関わらず、こんなにも見るということはそれだけイタチの数が多いのでしょう

〇二ホンイタチ(ホンドイタチ)
ネコ目イタチ科
日本固有種
体長:オス27-37 cm、メス16-25 cm
英名:Japanese Weasel
posted by akakokko at 14:51| おうちで見られる三宅島の生き物たち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月06日

おうちで見られる三宅島の生き物74「コガタコガネグモ」

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このようなXマークを見たことありませんか?

よく見るとすぐに正体がわかるのですが
これはコガタコガネグモが自分の網に作ったもの。

以前は天敵から身を隠すための用いていると考えられ、
「隠れ帯」と呼ばれていました。
しかし、その用途以外にもエサを捕まえるために
利用しているとも考えられており、
現在は「白帯」と言われているそうです。

このコガタコガネグモ。腹部の模様が複雑で
綺麗なのですが、臆病で人の気配を感じると
すぐに網から飛び降りて隠れてしまいます。

目立ってくるのは7月くらいから9月くらいでしょうか
建物の周りや明るめの林で見られ、
あまり深い森では見ないように思います。(N)

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こちらは近い仲間のナガコガネグモ。
コガタコガネグモよりも明るいところで見られ、草原などで見られます。
三宅島で確認されているコガネグモの仲間(コガネグモ属)はおそらくこの2種のみ。

〇コガタコガネグモ
クモ目コガネグモ科
体長(脚を入れない大きさ):メス10mm、オス5mm程度
posted by akakokko at 12:21| おうちで見られる三宅島の生き物たち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月05日

今度は大路池に

8月下旬に海岸で確認したカワセミは、しばらく同所にいましたが、30日頃にいなくなりました。同一個体かはわかりませんが、昨日大路池で水鳥を探していたら、そこにカワセミの姿が。

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常緑樹の葉にうまく同化していて見落としてしまいそうでしたが、たまたま飛んで来たため気づくことができました。この日初めて大路池で確認しましたが、もしかしたら、もう少し前からいたのかもしれません。

例年、大路池に来たカワセミはしばらく滞在します。次の場所への移動に備え、三宅島でゆっくりと羽を休めていって欲しいですね。(S)
posted by akakokko at 14:13| 自然情報トピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする